導入事例
ナラサキ産業株式会社様
電機、建築設備の販売・施工やエネルギー事業などを手がけるナラサキ産業株式会社様(以下ナラサキ産業)では、ビジネスを支える社内ネットワークの再構築を実施しました。ループ障害などのネットワークトラブルや、ウイルスによるセキュリティリスクを排除し、安定的な通信インフラを実現するのが狙いです。新ネットワークの構築にあたっては、導入・運用の容易さも重要な要件として掲げられました。そこで同社が採用したのが、ネットワールドが提供するHanDreamnet社製L2セキュリティスイッチ「SGシリーズ」です。安定性とセキュリティの大幅な向上を達成すると同時に、遠隔拠点のスイッチも含めたネットワークの可視化も実現。運用管理の一元化・効率化にも成功しています。
ナラサキ産業株式会社
経営企画部 情報システム課
川瀬 芳紀氏
株式会社日立情報システムズ
流通営業本部 第二営業部
第一課
高橋 信也氏
「SGシリーズ」で社内のネットワークインフラを刷新。安定稼動とセキュリティ強化を実現。
幅広い領域で事業を展開する 創業110年の老舗企業
明治35年の創業以来、約110年に及ぶ歴史を積み重ねてきたナラサキ産業。現在では、電気設備、建築設備、FA・高機能材料、産業機械・農業施設、建設機械・資材、エネルギーなど、幅広い領域で事業を展開するほか、太陽光発電システムなどの環境関連事業も強化している。
こうした多面的な事業展開を行っているだけに、同社のITには他社とは異なる要件が課せられている。事業部門によって全く業態が異なるため、業務システムもそれぞれの業界固有の商習慣などを満たす必要があるのだ。
ナラサキ産業 経営企画部 情報システム課 川瀬 芳紀氏は「ユーザの利便性を高めることが我々のミッションですから、各事業部門のシステムについては効率化や生産性向上を最大限に追求しています。ただし、それだけでは個別最適に陥ってしまうため、全体最適化も同時の追及しています」と説明する。
ループ障害やセキュリティ被害を防止すべく「SGシリーズ」を導入
情報システム課では、業務効率化・生産性向上と並んで、システムの安定稼動も重要なテーマとして掲げている。その中でも、全社業務を支えるネットワークの安定性向上は大きな課題であった。川瀬氏は「たとえば、以前は、年度末の人事異動の際などに、ネットワークのループ障害がしばしば発生していました」と振り返る。
もっとも、このループ障害、原因そのものはそれほど複雑なものではなかった。フロアのレイアウト替えや席替えなどが行われた際に、ユーザがスイッチの空いているポートにLANケーブルを挿してしまい、それが元でループが発生していたのだ。「ユーザとしては親切心でケーブルをつないでくれるのですが、それでループが発生してしまうと、かなり広い範囲で通信が行えなくなってしまう。当然業務にも支障が出ますので、こうした問題を早急に解決する必要があると考えました」
(川瀬氏) ちょうど市場でも、ループの検知・遮断機能を備えたスイッチが出始めていたため、同社ではある製品へのリプレースを検討。しかし、導入に向けた動きが始まろうとしたその時、同社では別のスイッチ製品に着目することになる。それがネットワールドが提供するHanDreamnet社製L2セキュリティスイッチ「SGシリーズ」であった。
「ループの問題に加えて、もう一つ我々が気にしていたのがセキュリティです。最近ではDoSによる外部へのアタックなどが大きな問題になっていますので、当社でも万全の対策が必要と感じていました」と川瀬氏は語る。実は同社でも、過去に一度だけ、ウイルス感染したPCが、ルータに大量のパケットを送出したことがあった。
幸いこの時は早急な対応で事なきを得たが、いつか同じ問題が起きないとも限らない。
「そんな時に、ネットワールドからSGシリーズが提供されるというリリースを目にしました。内容を見ると、ループはもちろん、DoSやARP Spoofingなどの有害なトラフィックも遮断してくれる。これは当社にピッタリな製品だと思いましたね」と川瀬氏は語る。
同社では早速、ネットワールドにコンタクトを取り、SGシリーズのテスト導入を実施。川瀬氏はその時の印象を「我々ユーザ企業には、ネットワークの専門家が揃っているわけではないので、あまり複雑な製品は敷居が高い。その点、SGシリーズは簡単にループや不正なトラフィックを防止できるので、非常に使いやすいと感じました」と語る。テスト導入の結果に充分な手応えを感じた同社では、当初予定していた製品に代えて、SGシリーズの全面採用を決めた。
障害によるトラブルを解消 対応時間も大幅に短縮
SGシリーズによる新たなネットワーク環境は、2010年12月より本番稼動を開始。現在では、冗長化電源を搭載した48ポートモデル「SG2048G/2」が1台、24ポートモデルの「SG2024G」が4台、8ポートモデルの「SG2008G」が1台導入されている。
SGシリーズへのリプレースを行ったことで、これまでのようにループ障害への対応に悩まされることはなくなった。「SGシリーズに標準で付属する運用管理ツール『Visual Node Manager』(VNM)を利用すれば、どのポートにどの端末がつながっているか簡単に確認できます。このため、もし障害が発生した場合も、スピーディに問題を解決できます」と川瀬氏は語る。
以前は障害原因を特定するために、問題のありそうなスイッチのポートを手作業で一つずつ抜き差ししてチェックしていた。しかし現在では、現場に行く前にVNMの画面で状況が確認できる。「30分以上掛かっていた作業が、ほんの数分で終わってしまう。これは非常にありがたいですね」と川瀬氏。ループの影響も各フロアの「島」レベルに抑えられるため、広範囲にわたって業務が止まる心配もなくなったと続ける。
導入を支援したネットワールドへの信頼も厚い。川瀬氏は「設定作業のポイントや手順などの情報を分かりやすく提供してもらったおかげで、極めてスムーズに導入が行えました」とにこやかに語る。
同社のITパートナーである日立情報システムズの高橋 信也氏も「私としてもSGシリーズの取り扱いは今回が初めてですが、予想以上に高機能・高信頼な製品で驚いています。今後のソリューション提供にも積極的に取り入れ、お客様の課題解決に役立てていきたいですね」と高く評価する。
遠隔拠点のネットワークを可視化することに成功
懸案であったセキュリティ面でも、大きな効果が挙がっている。「実際にDoSアタックやARP Spoofingによる盗聴などが発生したことはありませんが、クライアントに疑わしい振る舞いがあった時に、すぐに検知・遮断してくれるのは助かります」と川瀬氏。たとえ本物のウイルスではなかったとしても、何か通常と違う動きがあった時に、きちんと管理側で把握できることの意義は大きいと続ける。
「たとえば、VNMの画面にアラートが表示されていたので確認したところ、会議室で外部から持ち込まれたPCを繋いでいたことがありました。以前であれば、こうしたことをすぐに検知することは困難でしたので、格段の進歩と言えますね」(川瀬氏)
また、SGシリーズは、社内ネットワークの可視化を図っていく上でも、大きく役立っている。「北海道の支店は、床下の配管にLANケーブルが通っている上に、図面も残っておらず構成が全く不明でした。ところが、SGシリーズを導入したところ、どのポートにどのIPアドレスのマシンがつながっているか判明したのです」と川瀬氏は語る。
こうした遠隔地の拠点は、トラブルが起きてもすぐに駆け付けることができず、障害発生時の対応に苦慮していた。しかし、現在では、すべてのSGシリーズの情報を本社のVNMで一括管理できるため、迅速・確実な対応が行えるようになった。
同社では、他の拠点に対してもSGシリーズを展開し、全社ネットワークの可視化をさらに進めていく構えだ。川瀬氏は「その他にもシンクライアントの導入など、様々な取り組みを進めていく予定ですので、幅広いソリューションを持つネットワールドの提案にも大いに期待しています」と語った。